子どもはかわいいです。
もともと子どもが好きだったのかもしれませんが、かわいいと思いながらも、
育児をしていると耐えがたい出来事もありました。
赤ちゃんがやってくると、いままで夫婦だけでは話すことがあまりなかったおしもの話題が、毎日のように話されるようになります。うんちだのおしっこだのもどしただの、そういったことにふりまわされているような毎日です。でも、それがどういうわけか、私は、いやではありませんでした。
幸いにも娘は大きな病気をすることがなく、怪我もなく、育ちました。
しかし、今思い出すと、懐かしいいろいろな地獄がありましたね。
今回の記事は、気には病んだような記憶はありますが、今となっては笑い話になったものを何個か話題にしてみます。
かわいい地獄
産まれてから、言葉をしゃべり始めるくらいは、かわいいさかりでした。
赤ちゃんの時は、大変だと思いましたが、今思うと、じっとしてくれているし、話しかけてこないし、おかーちゃんきらい!と言ったりしないので、楽だったようにも思います。でも、その時はその時で私は必死でした。その時がいちばん大変だと思います。
首が座って寝がえりをするころには、毎日これができたあれができたと、家族で大騒ぎ。
突然「まんま」と喋った時も、大騒ぎ。それからどんどんいろいろしゃべるようになりますが、今では娘も、アホとかバカとかも、ちゃんと使いこなすほどに成長しました。
前髪ぱっつん、おめめくりくり、歯が3本くらいしか生えていない小さな人が、ニコッと笑うときほど、かわいいものはありません。「かわいいね」と、私も笑うと、ニコニコしていました。かわいいなー。
子どもは、かわいい地獄です。
いやいや地獄
ふと、ある日、娘がなんでもかんでも「いや」と言っていることに、私は気づいてしまいました。
もし、気づいていなかったら、気に病むことはなかったかと思います。
これは、俗に言う反抗期というものかもしれません。
少し何か喋ることができるようになった時でしょうか、毎日娘が「いや」を連呼していました。
(あれ?なんだか、なにを言っても、いやと言われるような気がする……?)
いろいろ、観察していたら、名前を呼んでも「いや」と言うではありませんか。
でも、この時の私は、毎日いやと言われて、病みました。
気に病んでいたことは覚えているのですが、どうやってのりこえたのかは記憶にありません。
おそらく、自然と、いやと言わなくなったのかなあ。と、思います。
今だと、おもしろがると思うんですけどね。
おばあちゃんの言葉で励まされるとしたら、
「20になっても、いやいやばっかり言うことはないけん、どーにでもなる」
みたいな感じでしょうか。私の場合は、どうにかなりました。
あんぱんまーん地獄
1歳か2歳ごろになると「誰もが通る道じゃ」と言われる、アンパンマンブームが起こりました。
アンパンマンブームは、かなり強力でした。アンパンマンブームの終焉は、プリキュアブームに変わるまで続きます。
家でアンパンマンのテレビを見たわけでもなく、不思議と娘がアンパンマンに執着しはじめます。
私と同年代のママ友と「アンパンマンは避けたい。」と、話したことがありましたが、お互いだめでした。
どこから、アンパンマン情報が入ってくるのかわかりませんが、とにかくアンパンマンは強力です。
アンパンマンの丸い顔を見つけたら「あんぱんまーん あんぱんまーん」と言いはじめます。
大人だと、アンパンマンが生活の中で、こんなに幅をきかせていることに気づく事はないかと思いますが、子ども目線で世界を見れば、いろんなところにあるアンパンマンを見つけることができるようです。
あまりにも娘が「あんぱんまーん」に夢中なので、不思議と家にアンパンマンたちが集まりはじめます。アンパンマンの絵本、アンパンマンのおもちゃ、アンパンマンの食器、アンパンマンの衣服、アンパンマンの家具……。アンパンマンがブルブル動くおもちゃまでありました。
わが家はアンパンマンワールドか!
「高知までちょっと連れて行っちゃう?」と、夫婦で話したこともありましたね。
「アンパンマン」というワードに娘が反応するので「トダサン」と言ったりする日もありました。
最後まで抵抗し続けた夫さえも、アンパンマンの絵が描けるようになり、
「あんぱんまんは~きみ~さ~♪」と口ずさむほどになりました。
そんな夫に、ある日、辛い現実が待っていました。
娘「もう あんぱんまん きらい」
子どもの成長は、はやいのですね。
米地獄または米騒動
一人遊びするようになると、たまにおとなしく遊んでいる時があります。
こういうときは、そっと見守っていました。おもしろいんですよね。
おとなしく真剣に何かをしているので、なにをしているのか、こっそりのぞいてみると、
ブロックをつまんで違う箱に移動させていたり、紙をやぶっていたりしていました。
布がほつれてちょっと出てきた糸を必死でつまもうとしていたりする日もありました。
体がやわらかいのか、寝っ転がって、自分の足をずっと舐めている日もありました。
ある日も、そんな風におとなしくおもちゃか何かで遊んでいると思って目を離しているうちに、騒動が起こりました。台所で娘がなにやら、キャッキャキャッキャと、楽しそうにあそんでいるなあと思って、見に行ってみると、米びつの中の米をひっくり返して、お砂遊び…いや、お米遊びをしていました。口の中には、米。服の中にも、米。なぜかオムツの中にも、米。なぜ、米……。
一瞬、私もどんなリアクションをとっていいものか迷い、
とりあえず「ああああー!」と言うと、娘はびっくりして、泣いてしまいました。
こういうとき、どういうリアクションをしたらいいのか、その時の私は、わかりませんでした。
この時、幸運だったのは、それが米だったことです。
それが、もし米以外の何かだったら、今ここに書かれていなかったかもしれません。
米大好き。米ありがとう。
>>つづく☆